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「とりかえばや物語」とは?平安時代にできた作者不詳の物語のあらすじを解説

「とりかえばや物語」とは?平安時代にできた作者不詳の物語のあらすじを解説

「とりかえばや物語」とは、平安時代に書かれた男女が入れ替わってしまうという内容の作品です。とりかえばや物語とは一体どんなお話なのでしょうか。今回は、とりかえばや物語のあらすじや成立した経緯を紹介します。

    「とりかえばや物語」のあらすじ

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    ここでは、とりかえばや物語のあらすじをお話ししましょう。

    ※この時代は、男女とも官位や地位が上がるに従って、同一人物を指す呼び名が変わります。(例:尚侍→女御→中宮→后)

    男君と女君の誕生~幼少期

    時の大納言(のちの関白左大臣)には二人の妻がいました。

    時を同じくして二人の妻はそれぞれ子を産みます。一人は男の子でもう一人は女の子でした。

    二人の妻はそれほど容姿が良かったわけではありませんが、子供達はどちらも美しく、利発な顔立ちをしていて、不思議なことに母親がそれぞれ違うのに顔は瓜二つでした。

    二人の子はすくすく成長していきましたが、成長するに従いどういう訳か男君は女性のように大人しく、女君は男性のように活発に育っていったのです。

    父左大臣は心配したものの、これも今だけで時間が経てばそれぞれの性別らしくなるだろうと考えていました。

    ところが、時が経っても二人の様子は変わらず、女君は明るく活発で男児のように友と野山を駆け回り詩や和歌を詠み蹴鞠に興じ、一方の男君は物静かで大変な人見知りで、乳母や本当に近しい侍女以外は父親にさえ恥ずかしがって顔を合わせないご様子で、いつも部屋に籠り貝合わせや本を読んで過ごすのでした。

    父左大臣は、そんな二人の様子を見て「ああ、とりかえばや(取り替えられたらいいのに)」とため息をつくのでした。

    それでもいつか、男君は男らしく女君は女らしくなってくれるだろうという淡い期待を持ちながら、2人の成長を見守っておりましたが、一向に変わる様子もなく二人はそのまま成長していきました。

    ひろみ

    ひろみ

    瓜二つの異母兄妹か~

    それだけでそそる設定ね…

    青年期 宮仕え

    女君は容姿も美しくその明るく社交的な人柄から友も多く、笙(当時の笛のような楽器)や和歌の才にもたけており、賢く非の打ち所がないと評判で、その噂が帝の耳にも届き、ぜひ宮中に出仕するようにとのお達しが出されました。

    左大臣は困り果てましたが帝の命には背くわけにもいかず、女君を男子として元服させました。

    こうして、女君は男装して三位中将の官位をもらい、宮廷に仕えることとなります。

    また、男君の方も左大臣の美しい娘という聞こえが高く、帝や東宮から内裏に入内して欲しいとの強い要望がありましたが、左大臣は「娘は極度の人見知りなので」という理由でその申し出を断ります。

    帝には一人娘(一宮)がおりましたが他に子がいなかったため、帝の地位を退き院になられた折に一宮が女東宮となりました。

    溺愛するわが子が心配であった帝は、左大臣に娘(男君)を尚侍(ないしのかみ)として入内させて、東宮のお世話役として付くように命じます。

    それくらいならばなんとか上手く過ごせるであろうと左大臣も承諾し、女姿の男君は東宮のお側につく尚侍となりました。

    こうして女君は男として、男君は女として、それぞれ宮廷につかえることになったのです。

    ひろみ

    ひろみ

    性と職業が分離していなかった時代を考えさせられるわ

    ジェンダー論っぽくなってきたわね
     

    三位中将(女君)の結婚

    三位中将(女君)は、抜きんでた容姿と才覚に周囲の評判も高く、女君を男と思っている女性たちは我こそがお側につきたい、妻になりたいと歌を送ったりして機会を狙うのですが、女性に興味のない女君は素知らぬ顔で、それがまた誠実な人柄だとますます評判が高まります。

    年頃の娘を持つ右大臣も、三位中将をぜひわが娘四ノ宮の婿に迎えたいと左大臣に2人の婚姻を申し出ます。

    左大臣は、女である本当の姿が隠し切れないのではないかと躊躇しましたが、奥方に四ノ宮様は幼いところがあるので仲睦まじく接していれば何とかなるでしょうと肩を押され、女君は右大臣家の四ノ宮の婿となりました。

    また、女君は順調に出世して、三位中将から今中納言に昇格します。

    ひろみ

    ひろみ

    女君はまるでベルサイユのばらのオスカルね!

    宰の中将と四ノ宮の密通そして懐妊

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    とりかへばや物語 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス 日本の古典)

    権中納言には、親友でありライバルでもある宰の中将という仲の良い友がおりました。彼も権中納言に引けを取らないほどの美男子でしたが、好色で女性に手をすぐ出すという困ったところがありました。

    宰の中将は、四ノ宮がとても美しい女性と聞き、権中納言の妻であることを知りながら、中納言のいない隙に屋敷に忍び入り四ノ宮と関係を持ってしまいます。

    四ノ宮も驚き、いけないことと拒みながらも、優しいけれど夫婦関係のない夫とは違う男らしさや強引さに流されて、宰の中将と度々密会を重ねてしまいます。そして、あろうことか懐妊してしまうのです。

    子供などできようもない権中納言は、妻の不貞を知って自分も四の君を大切に思い接してきたつもりでいたのに、やはり夫婦仲は形あるものがないとだめなのかとショックを受け、いっそ仏門に入ってしまおうと考えて姿をくらましてしまいます。

    その時、権中納言は、わけあって吉野の里に身を隠して仏門の修行をしている先帝の第3皇子の噂を聞き、吉野の宮とその娘たちに会いに行きます。

    権中納言はしばらくこの地で過ごした後、今はまだ出家の時期ではないと思い直して再び宮廷に戻ります。

    一方、男君は尚侍として女東宮に仕えていましたが、ふとしたきっかけで男女の関係を結び、女東宮は男君の子を妊娠してしまいます。

    おかずさん

    おかずさん

    うーん、レズカップルとしてうまく付き合っていたとおもっていた「四ノ宮」が親友の男に妊娠させられたら、ショックだよね…

    中納言(女君)の気持ちになると複雑だよ

    男君の方も、女装して女上司に使えていたところ、うっかり男であることがバレて妊娠させてしまったなんて、もう意味が分からないねw

    二人の秘密そして女君の懐妊

    女好きな宰の中将は、四ノ宮と関係を続けながらも権中納言の妹である尚侍(男君)ともぜひ仲を深めたいものだと、何とか会おうとするのですが相手にされず、思い悩む日々の気晴らしに権中納言のもとを訪れます。

    夏の暑い日で、権中納言は軽装でくつろいでいたので、本当は女性であることが知られてしまうといけないと思い面会を断ります。

    しかし、宰の中将は強引に部屋に入ってきてしまったため、何とかばれないように接していたのですが、話し戯れているうちにとうとう権中納言が本当は女性であることを知られてしまったのです。

    宰の中将は、権中納言を見るにつけ同性でありながらこの世の者とは思えない美しさに、女性であればどれほど美しく艶やかな女人であったろうと常々残念に思っていたため、女君が女性であるとわかると強引に抱いてしまいます。

    ここから二人の秘密の関係が始まり、女君もいけないこととしながらも、宰の中将の強引さと元々の友人としての親しさから彼を拒み切れず、関係を続けていくうちについに懐妊してしまいます。

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