大日如来とは?真言密教の教主
大日如来とは
日本人で仏教を知らない人はいませんよね。
しかし、仏教と言っても、宗派が様々あることをご存じでしょうか。
有名な宗派としては、「真言宗」「浄土宗」「浄土真宗」などがありますが、学生時代に歴史の教科書にも出てきた名称だと思いますので、この辺は知っている人も多いかと思います。
大日如来(だいにちにょらい)は、真言宗のご本尊とされている仏様で、全ての仏様は大日如来が変化した姿だと考えられているそうです。
大日如来の存在がなければ、他の仏様も存在しないと真言宗では考えられていますので、仏教の教主と言われる釈迦(しゃか)よりも、高い位にあるのが大日如来と考えられています。
つまり、真言宗の教えでは、教主は大日如来であって、釈迦ではないと言うことです。
真言宗は、仏教のひとつですが、同じ仏教で教主が違うというのも、おもしろいですよね。
また、真言宗以外の宗派での大日如来の位置づけに関しては、宗派によって違いがあるものの、基本的にどの宗派でも高い位の仏様として考えられているそうです。
ちなみに、真言宗は、空海(くうかい)によって開かれた宗派になります。
空海は、中国の密教僧である恵果(えか/けいか)を師としていますので、真言宗は、密教を基盤としているそうですよ。
真言宗が、秘密宗や東密と言われるのは、上記で紹介したような経緯があるからということになります。
密教では大日如来は「宇宙の真理」
大日如来は宇宙の真理
先の項目で紹介しましたが、大日如来は、真言宗の教主ですので、真言宗の最高位に位置する仏様となります。
また、真言宗の教えでは、大日如来を宇宙の真理とし、宇宙そのものとしています。
宇宙の真理と言われると大げさな感じもしますが、大日如来の「大日」は「大いなる太陽」を意味し、常にこの世を照らす光を放っていると考えられています。
ちなみに、実際の大日如来像を見ればわかるのですが、大日如来の姿は、2通りで表わされています。
ひとつは、悟りを得るための知識を象徴する「金剛界大日如来」です。
金剛とは、ダイヤモンドを指していて、大日如来の知恵はダイヤモンドのように傷つくことがないという意味になります。
ふたつ目は、無限の慈愛を象徴する「胎蔵界大日如来」です。
胎蔵とは、子宮を指していて、全てのものが胎児のように大日如来の中にやさしく包み込まれていることを意味しています。
真言宗の教えは、「金剛界大日如来」と「胎蔵界大日如来」の大日如来が揃うことによって、初めて密教の世界観を生むとしています。
また、金剛界大日如来と胎蔵界大日如来の姿の違いについてですが、それぞれの大日如来は、印相(いんそう)が異なります。
金剛界大日如来は、「智拳印(ちけんいん)」という忍者が忍術を使うときにするような手の形をとる印相をしていて、胎蔵界大日如来は、座禅を組むときのような手の形である「法界定印(ほうかいじょういん)」という印相をしています。
イメージがし難いかもしれませんが、もしも実物の大日如来像を見る機会があれば、確認してみてください。
コメント