集中力がない原因は?病気の可能性もある症状の特徴を解説

学校での授業や職場の会議などで集中できていなかったり、集団行動をしていても落ち着かない行動をとって目立つ、子供や大人を見かけたことはありませんか。そのような態度や言動には、根本的な原因があるかも知れません。集中力がない原因となる症状の特徴や可能性のある病気についてご紹介します。
集中力がない症状に当てはまる病気
集中力がない症状として考えられる病気の一つに、統合失調症があります。
原因はまだ不明なのですが、生活環境の大きな変化や人生の転機に発症する患者さんが多いそうです。統合失調症の症状には幻覚や幻聴の他に様々なものがみられます。症状の中には、集中力の低下、認知障害、注意散漫、作業スピ-ドの低下などがあげられます。そのために日常生活に支障が出て仕事や学業などにも集中できない状態となるのです。
統合失調症は少し前の時代では、治らない病気という認識がありましたが、現在は適切な診断と投薬や入院、社会や日常生活に復帰するためのリハビリテーションの発達によって、完治できる病気と位置付けられています。
集中力がない子供への対処法
一般的に子供は注意散漫で一つの事に集中したりその状態を継続させたりすることは難しいものです。
ご褒美を約束して子供の集中力を継続させたり、小さな成功体験から集中した状態で物事を楽しませせたりなど、日常の暮らしの中で徐々に子供に身に着けさせていく対処法をとられるご家庭が多いのではないでしょうか。
しかし、同じ年頃の子供よりも過度に集中力が続きにくい場合は、「注意欠陥多動性障害(ADHD)」といった障害の可能性を考える必要もあるかもしれません。
注意欠陥多動性障害(ADHD)を持つお子様の場合には、集中力だけではなく自分自身の言動をコントロールしにくい症状もあるので、周囲との関係がうまくいかない問題がどうしても多くなりがちです。
そこで一般的な注意欠陥多動性障害(ADHD)の対処法や治療法をご紹介します。
注意欠如・多動性障害(ADHD)の対処法と治療法
注意欠如・多動性障害(ADHD)と専門医に診断を受けたお子様は、自身の持つ障害特性への対処法を会得させることを目的に、投薬治療を受けながら行動パターンの変化を体験させる治療を行います。
注意欠如・多動性障害(ADHD)と診断を受けた子供に薬を使う目的は、脳内で不足している伝達物質を補い、あらゆる生活環境で行動パターンの変化に集中させることができ、子どもが日々の生活の中で成功体験などを得やすくし、それを続けることで自信を持ち自尊心を高めるようにします。
そのための対応としての薬の投与をすることがありますが、子どもの言動を抑制するというものではありません。良好な状態を維持することで、子どもが努力しやすくする役割を持っているのです。
現在のADHDの治療の薬としては、日本で承認されているものは注意欠陥・多動性障害治療剤や中枢神経刺激剤というものです。
薬の形状としてカプセルや錠剤、内服できる液剤があります。
小さな子供の年齢にあわせて服用しやすいのは液剤で、外出時には利便性を興梠してカプセルや錠剤を処方してもらうこともできます。
療育的な支援や教育面では
環境の改善
様々な刺激になるものを子どもの様々な生活上の環境からできるだけ減らします。また与えられた課題やめざす目標などにできるだけ集中できるような環境作りに配慮していきます。
ソーシャルスキルなどのトレーニング
集団行動の改善を図るために子供に必要なソーシャルスキルを身につけさせます。言葉や行動でのコミュニケーション能力を高める訓練です。
あらゆる場面で自己コントロールができるように、自分や友達などを認知するスキルも学べるプログラムとなっています。
ペアレント・トレーニング
両親(保護者)のために注意欠如・多動性障害(ADHD)の症状への理解やより良い対応、また治療法についてのプログラムです。
子供の障害への理解をより深め、どのように対応したり支援したりするのがよいのか、両親(保護者)がトレーニングを受けます。
家族間でのよりよい取り組みによって障害によって起こるトラブルや問題点を改善し、より良い日常生活を子供や家族が送れるように具体的な対処法を学ぶ場です。
集中力がない原因についてまとめ
集中力がない根本原因になりうる、障害や病気とその対処法をご紹介しました。
集中力のない原因について少しでも当てはまる事項がありましたらぜひ参考にして、今後の対処の指針としていただければ幸いです。
子供様の場合には、少しでも成功体験をさせることで達成感を持ち病気に対して良い影響を与えることができます。
大人の場合も職場の同僚などからの良い評価を得られたという感情が、自尊心を高めて、うつ等の二次障害を防ぐことにつながります。
病院での検査や治療を躊躇せず、少しでも良い環境に改善することでその方の生きやすい環境を整えることができます。それには、周りの人たちの認識を変え支援体制を充実することが必須です。

編集部