惟神の道(かんながらのみち)とは?神意に従うという言葉の意味を解説

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惟神の道(かんながらのみち)とは?神意に従うという言葉の意味を解説
神道用語

惟神の道(かんながらのみち)の意味

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惟神の道の意味 出雲大社

『惟神の道』という言葉をご存知でしょうか?

文学好きな方なら、三島由紀夫の随筆にズバリ『惟神の道』があるのをご存知でしょう。

『惟神の道』とは《人は自然の一員として生まれ、自然ととも生きる、転じて、目の前の現実を誠実に自然のままに生き、結果を素直に受け入れる》という考え方です。

『惟神の道』は日本に古くからある神道に深く関係する言葉で、特に神社では神主さんの祝詞(のりと)でも使われます。

山に海に自然に神が宿る日本。逆らえない自然の動き=神意と考え、神意に即して生きることが『惟神の道』自分の先祖を敬い、先祖に感謝して生きる知恵を感得することが『惟神の道』なのです。

ポイント
  • 一木一草が自然に逆らわず(神の道に従い)、与えられた環境で懸命に生きる(神意のままに生きる)姿が『惟神の道』です。

惟神の読み方

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惟神の読み方 大幣(おおぬさ)

惟神 は『かんながら』と読みます。
神社で参拝する時、こんな言葉を聞いたことはありませんか?
「祓え給い、清め給え、神ながら守り給い、幸え給え」
(はらえたまい、きよめたまえ かむながらまもりたまい、さきわえたまえ)
意味は「お祓い下さい、お清め下さい、神様のお力で我々をお守り下さい」

この「祓え給い、清め給え」の古い言い方が
『惟神霊幸倍坐世』
(かんながら、たまちはえませ)。
意味は「すべては神さまの御心に従います、どうぞ良きお導きを」となります。

ポイント
  • 惟神 は 《かんながら》 と読みます。

惟神の道の由来

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惟神の道の由来 本居宣長

惟神の道の由来:日本書紀

『惟神』という言葉の由来は、孝徳天皇(596-654年、第36代)の詔(みことのり=言葉)として日本書紀の記述に見いだすことができます。

惟神も 我が子治らさむと故寄させき

という文章があり、意味は
「神意により、皇孫にこの国を治めよとおっしゃられた」と解釈されます。

さらに『惟神』とは

神道に随ふを謂う、亦自づからに神道有るを謂う

「惟神とは神の道に従うことを言う、また天皇自ら神道の存在を仰せになった」とあります。

ちなみに孝徳天皇は、姉の皇極天皇から譲位を打診され、断りきれずに天皇に就いた人物。日本で始めての元号「大化」を採用するなど、歴史に名を残しています。実務は甥(姉の子)の中大兄皇子(のちの天智天皇)が掌握、宮中では次第に蚊帳の外に置かれてしまいました。

孝徳天皇の詔は、もしかすると宮中で孤独、無念だった自分の思いを「神意」に従うことで奮い立たせようとしていたのかもしれません。

惟神の道を発展させた:古事記伝

もうひとつの由来は、江戸時代中期の国学者「本居宣長」(1730-1801年)。彼が35年の年月を費やした大作『古事記伝』は、日本書紀と比較して古事記に書かれる「古代日本人の生き方や考え方」を研究しています。

宣長によれば、『惟神の道』とは、日本古代が神意のまま天皇が国を治め、平和が保たれていた理想的な世界を指します。日神天照大神を祖神として、神意のままに統治された日本では人々は真心に生き、神を畏敬し素直に目の前の現実に向き合った暮らしを続けることが『惟神の道』。

惟神の道を武術に取り入れた:合気道

『惟神の道』の由来を実践した武道というものもあります。

大正末期から昭和にかけて作られた「合気道」は、相手に傷を負わせることなく降参させる護身術であり、その根本は『惟神の道』そのものです。

合気道創始者の植芝盛平(1883-1969年)は多くの短歌を残していますが、そのなかにこんな一首があります。

神習う 道のしくみは惟神(かんながら) 合氣の道や 伊豆能売の神
(伊豆能売の神とは、古事記に書かれた災厄を治めるための神を指します)

惟神の道をキリスト教徒でありながら傾注した人物:新渡戸稲造

また、世界に「武士道」「サムライ」の存在を知らしめた思想家、新渡戸稲造(1862-1933年)。キリスト教徒でありながら、神道に傾注していたことは有名です。彼が読んだ一首です。

惟神(かんながら)道一筋に進まんと 思ふ心は神ぞ知るらん

 

ポイント
  • 『惟神の道』の由来は「日本書紀」にある孝徳天皇の詔。
  • 『惟神の道』を発展させた、江戸時代中期の国学者本居宣長。「古事記」の研究から『惟神の道』を日本人の生き方の根本と捉えました。
  • 『惟神の道』とは、日本神話の世界や、古代天皇の治める理想の国の形といったものだけではなく、複雑な今の世の中でも十分役立つ「生き方」「考え方」の基本となるのです。

編集部
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2018.05.01

惟神の道についてまとめ

『惟神の道』は、「八百万の神様がおいでになる」と言われる日本の文化の支柱。

自然を大切にし、先祖を敬い、日々与えられた境遇で努力を重ねて、結果は素直に受け入れる、すべては自然(神)の赴くまま神意に導かれて真心で生きて行くのが『惟神の道』です。

孝徳天皇の詔の裏には、いかなる境遇に逆らわずに生きることが『惟神の道』であると理解できますし、本居宣長は著書「古事記伝」によって「日本人とは何か」という文化人類学的な視点で『惟神の道』を発見しています。

惟神の道は、日本のあらゆるモノに息づいています。日々生きて行く私たちにとって、惟神の道を意識することは人生に大きな息吹を与えることになるでしょう。

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惟神の道 についてのメモ

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