ロールシャッハテストとは?人格がわかる心理検査
ロールシャッハテストとは、ある特定の模様を人に見せ、その模様が何に見えるかで人格を診断するという診断テストのことです。
ロールシャッハの名前は、この人格検査を考案したヘルマン・ロールシャッハ氏の名前から来ています。
ロールシャッハテストは「投影法」という方法で行われるテストで、パーソナリティ検査として一部では有名です。
パーソナリティ検査とは、「行動様式=反復して行われる動作」と「反応様式=反応によって起こる変化」などを用い、人格の診断や評価をする検査の事で、ストレスの原因を見つけることができるのが特徴です。
ポイント
- ロールシャッハテストには投影法が使われる
- 診断には主に行動様式と反応様式が使われる
ロールシャッハテストの例

フロイト先生
簡単なロールシャッハテストをしてみよう。
このインクのシミが、君たちにはどう映るかな?
何に見えるか言ってみて。

辻林クン
僕には母親に叱られている男の子がうずくまっているように見えるなあ。

おかずさん
リンゴの木の下で遊んでいる、ひよこに見えます。
こんな風に、ロールシャッハテストではインクのシミを左右対称に折りたたんだ紙に描き、そのシミが何に見えるか問いかけます。
その問いかけに対する答えによって、回答者の深層心理を探ることができるのです。
図柄の中には、本当にインクのシミにしか見えない物もありますが、それを見てどう感じるかが重要です。蝶と人間を合体させたような図柄もありますし「あなたの奥さん」という答えの例もあります。

フロイト先生
ふむ、辻林君には、幼少期に形成された母親に対するトラウマがありそうだね。。
ロールシャッハテストの解釈方法
この見出しはやや専門的です。
ロールシャッハテストに関するざっくりした概要を知りたい方は読み飛ばしてください。
興味があり、もっと詳しく学びたい方は見出し内の参考書をおすすめします。
ロールシャッハテストを行う時には、心理士によって性格傾向を導く形になります。まず検査している人の反応を記号に置き換える事から始まります。「コーディング」とも呼ばれる作業です。全部で10枚の図柄を見せるわけですが、被験者の反応によってコードが長くなる事もあります。
ロールシャッハテストのコーディングにも色々ありますが、以下に代表的な7つの指標をご紹介します。
1:反応領域 | 絵柄のどの部分が何に見えたかを診断します。 |
2:発達水準 | 見えた物同士が関連付けられているかをチェックします。 (例:人が掃除機をかけているなど) |
3:組織化活動 | 要素と要素が繋がっているかどうかを診断します。 (発達水準よりも空白の部分を重視します) |
4:決定因 | テスト内の花形的存在で、何が原因でそう見えたのかを診断します。 形や色、濃淡など、そう見えたのは何故かを探ります。 |
5:形態水準 | 現実的な反応をしているかを診断します。 (例:同じものを見て、蝙蝠(こうもり)は普通でも、宇宙人ならユニークと取れます。) |
6:反応内容 | 答えた言葉自体を診断します。 人の一部だったり、自然の一部だったり様々です。 |
7:特殊スコア | 独特な答えに対する診断です。 例えば、テレビに足が生えているように見えます。と答えた場合は、このスコアに記録されます。 |
これらの7つの指標からその人の人格を解釈します。
ロールシャッハテストをサイコパスに受けさせた結果
サイコパスと呼ばれる人は独特な思考を持ち、一般的に恐れらていますが、その独特な思考の持ち主がロールシャッハテストを実施するとかなり怖い診断結果が出ます。
例えば、多くの被験者が「傘をさしている人」と答えた図柄をサイコパス被験者に見せると、
サイコパスは「泣いている女性の前に男性の死体が見えます。」
などといった怖い答えを返してくるのです。
サイコパス思考の持ち主は、死体や殺人に関わりの深い回答が出てくることが顕著です。
ロールシャッハテストについてまとめ
人がインクのシミなどの図形に何を投影するかによってその人の深層心理を暴くロールシャッハテストは、シンプルですが奥の深いパーソナル検査です。
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ロールシャッハテストとは?