護摩とは何?火を用いる儀式の正しい意味を解説

炎,火
護摩とは何?
仏教用語

護摩とは?密教の代表的な修行法

仏教,修行僧,瞑想

修行法の一つである護摩

「護摩」とは、古代インドのサンスクリット語「ホーマ」を音写したもので、物を焼く」ことを意味しています

密教(真理そのものとされる大日如来の教え)では、「生きたまま仏になること(即身成仏)」を教えとしています。しかし、現世に生きている人間には、さまざまな煩悩がつきものです。その煩悩を滅する修行法の一つが「護摩」なのです。

護摩には、静かに瞑想をして仏の智慧の炎により煩悩を焼き払う「内護摩(ないごま)」と、実際に護摩壇で護摩木(煩悩の象徴)を燃やす「外護摩(げごま)」の2種類があります。

火(炎)を介して仏とつながり一体となる。そのための修行法なのです。

ポイント
・「護摩」とは、物を焼くことを意味している。

・「内護摩・外護摩」の行いを通して仏とつながり、即身成仏を体現するための修行法である。

編集部
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護摩の種類

焚火,火

護摩の種類

「護摩」とは、「物を焼くこと」を意味しますが、「焼かれた火(炎)が天の口で、天はこれによって供物(焼かれた供物)を食し、代わりに福を人に与える」とされています。

護摩は、その祈願の目的に応じて護摩壇の形、色、方向が異なります。主に4種類に分けられ、その目的と形は以下の通りです。

祈願の内容 方向
息災

地震、雷、火事、台風、洪水などの災害や個人的な苦難、危険がないように祈ること。

円形

増益

積極的に利益や幸福を求めての祈願。福徳と繁栄、長寿延命などがあげられる。

正四方形

敬愛

和合や親睦をはかる祈祷。

半円形

(花形)

西
調伏

魔障や怨敵を調伏したり折伏したりする、荒々しく危険の多い祈祷。

三角形

(青)

敬愛を増益に含めて三種類、鉤召(こうちょう)を立てて5種類、さらには増益から延命を独立させて6種類とする場合もあります。「鉤召」とは、招き寄せるという意味で、人や物など良環境の招来を祈るものです。

護摩炉,息災,増益,調伏

護摩炉の種類(右から息災炉、増益炉、調伏炉)

いずれにしても、「聖なる仏たちの神秘的な加護力(加持力)」「修行を行う行者が備えている力(功徳力)「それらの次元の異なる力が相即しうる場としての力(法界力)「三力」がうまく作用し合うことが必要です。

ポイント
護摩壇は祈願の目的に応じて主に「息災」「増益」「敬愛」「調状」の4種類に分けられる。

加持力」「功徳力」「法界力」の「三力」がうまく作用し合うことが必要。

護摩行と護摩行に使われる護摩木

薪,木

護摩行に使われる護摩木

大日経(大日如来の説法を説いた真言密教の根本経)』には、四十四種の火法が記されています。

大まかな流れとしては、不動明王(数多い明王の中心的存在で、ゆるぎない強い心と智慧で人々を仏道へ導く)や愛染明王(強い愛欲と煩悩が悟りを開く力であり、悟りへの第一歩だと人々を導く)を本尊とし、その前に火炉をしつらえた護摩壇を設けて、壇木燃料として用いられる木)で火を起こす。続いて、乳木(炎の中に供養物の一つとして投じられる)、奉納された護摩木を焼き、火中に穀物など(芥子、丸香、散香、塗香薬種など)を投じるというものです。そして、こうして燃えあがった炎を仏そのもの、智慧の象徴としました。300度を超える炎を前にし、一心に祈り続ける。護摩行とは、心身を鍛え、煩悩を浄化し、仏と一体となり、願いを叶えるパワーを授かる行いなのです。

護摩行に使われる護摩木は、その種類もさまざまですが、節目がまっすぐで、虫食いや腐食部のない浄木でなければなりません。主に、桑、柏、松、檜、杉などが使われました。お寺を訪れた人が、祈願したいことを書いて奉納します。

編集部
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護摩に使われる木の種類と由来

・・・桑の木には雷が落ちないという言い伝えがあり、霊力がある木とみなされていた。

・・・古代では、柏の葉にごちそうを盛って神に捧げていた。これに由来して、柏が神聖な木とみられるようになった。

・・・古くから神の宿る神聖な木とされていて、神が木に宿るのを「待つ」ところから名付けられたと言われている。冬も緑の葉を茂らせる常緑樹であることから、不老長寿の象徴とされている。

・・・尊く最高のものを表す太陽の「日」をとって「日の木」となったと言われている。

・・・スギの語源は、真っ直ぐ上に伸びることから「すぐ(直)な木」や「すすき(進木)」、「すくすく育つ木」などといった成長を表現する言葉に由来していると言われている。

由来については諸説ありますが、「神聖な木」という点では共通しているようです。

豆知識「香」の意味

火中に投じられるものには「香」のものが多くあります。今では気軽に楽しめる「お香」ですが、本来は仏にお供えするものの一つで、6世紀ごろ大陸から仏教が伝来したとき、仏教の儀礼とともに日本に伝わったとされています。仏前を清め、邪気を払う「供香」として使われていました。

長尺線香・・・お経を唱えたり、座禅を組んだりする時間を、お線香1本が燃え尽きるまでと定め、その時間を計るために使われているお線香。

塗香・・・仏像にお供えするほか、修行僧が体に塗って身を清め、邪気を払うために使う粉末のお香。

抹香・・・沈香や白檀などを混ぜ合わせた細かい粉末のお香。仏前で焚いたり、仏像に散布したり、長時間焚き続ける時香盤などにも使われる。

焼香・・・香木や香草を細かく刻んで混ぜ合わせたお香。使われる香料によって、五種香、七種香、十種香などの種類がある。

お寺を訪れた際は、「香」にも注目してみると新たな発見があるかもしれませんね。

ポイント
護摩の火法には四十四種あるとされている。
護摩行とは、仏の智慧の火でもって、人々の煩悩や苦のものを取り除くパワーを授けてもらう行のこと。

護摩を体験できる寺院

和空 下寺町

大阪府大阪市天王寺区下寺町2-5-12 TEL:06-6775-7020 インターネットより予約可能
女性参拝者も多い縁結びのお寺で、「朝のお勤め」や「精進粥の朝食」体験ができるようです。朝6:30開始と少し早いですが、心と体のデトックスになり、清々しい気持ちで一日を始められそうですね。

神瀧山清龍寺不動院

埼玉県和光市白子2-15-47 TEL:048-461-2116 インターネットから予約可能
都心からもアクセスしやすい寺院です。荘厳な空間で、勢いよく燃える護摩の火をいただけば、心も体も引き締まりますね。

護摩についてまとめ

護摩とは、即身成仏を学ぶための密教の修行法の一つです。災いの原因となる煩悩を浄化し、心身を清めることで仏からのパワーをもらうことができます。ゆえに、現世利益をもたらすことができるのです。

護摩行では、護摩焚きの炎、読誦される真言や陀羅尼(呪文)の響き、大太鼓の衝撃が五感を通じて人々の心身を救い癒すと考えられています。今では護摩行を体験できるお寺もあるようです。時には非日常空間に身をおいて、日常のあらゆる雑念をそぎ落とし、心身ともにリフレッシュしてみてはいかがでしょうか。

ライターメモ

ライターメモ,護摩

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編集部
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