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「ダキニ天」とは?お稲荷さんと関係の深い荼枳尼天の真言の意味を解説

「ダキニ天」とは?お稲荷さんと関係の深い荼枳尼天の真言の意味を解説

豊川稲荷などで鎮守神として祀られる天部神荼枳尼天とは?真言やその梵音、梵字、唱える事での効果やご利益についても合わせて解説しています。元々はインドの鬼神で魔女だったダーキニーであるとされ、平安期に日本に渡来し次第に現在の姿、白狐にまたがり稲穂を担ぐ「荼枳尼天」の姿になりました。その由来についても詳しく解説しています。

記事の目次

  1. 1.「ダキニ天」とは?
  2. 2.「ダキニ天」の真言とは?
  3. 3.「ダキニ天」の真言のご利益は?
  4. 4.「ダキニ天」を祀る神社・寺院を紹介!
  5. 5.まとめ

「ダキニ天」とは?

荼枳尼天(だきにてん)とは仏教における神(天部)です。元はインドの人肉を喰らうとも言われる魔女で、一部では女神として信仰も集める「ダーキニー」であると言われます。ダーキニーはヒンドゥー教の主神「シヴァ神」の妃である殺戮と戦いの女神「カーリー」の従者で、インド神話における鬼神夜叉(やしゃ=ヤクシニー)」とされます。

密教の逸話では人肉を喰らう鬼神であったダーキニーを大日如来の化身「大黒天」が調伏(ちょうぶく:悪行に打ち勝つ)したとされます。これは仏教の伝来によってインドの土着の信仰であったダーキニーが取り込まれた事を表す逸話だと考えられます。

日本においての「荼枳尼」は真言密教の開祖空海によって平安期に伝えられています。当初は短刀と屍肉を持つという姿で表され鬼神ダーキニーの姿を色濃く残していましたが、時代と共に徐々に形態が変化し、現在の白狐にまたがり宝剣を持つ天部「荼枳尼天」の形となっていきました

狐に乗る姿や稲荷と同一の存在とされる由来としては、古来、日本における狐の伝承、古墳、塚などの墓場に巣穴を作り、時に屍を喰らい、さらには人の死を予言するというものと、荼枳尼天の元となった「ダーキニー」の「尸林(しりん:墓場や火葬場など死にまつわる場所)」で彷徨い屍肉を食べるという伝承や、大黒天に調伏された際に人の死を予測する能力が与えられたという伝承が重ね合わせられたのだと考えられます。また、単に屍肉を貪るという伝承から屍肉を漁るジャッカルに乗るという姿となり、それが日本に渡来すると同時に狐に置き換わったとの説もあります。

戦国期になると、各地の武将が城の守り神(鎮守稲荷)として「荼枳尼天」を祀るようになります。現代でも城址において稲荷の祭祀が続けられている場所が多く残ります。

さらに、江戸時代に入り文禄の頃になると武士を中心に信仰されていた稲荷信仰(出世稲荷)が庶民にも広がるようになり商売繁盛や開運出世、病気快癒、五穀豊穣など幅広いご利益があるとされ、それに加えて、人を選ばず誰にでも願望を成就させるという教えも広がり、幅広い身分からの信仰を集めました。

これらの流れの中で、元々五穀豊穣の神様であった稲荷神との習合が進み、現代に伝わる白狐にまたがり右手に鎌を持ち、稲穂を担ぐ女神の姿として現されるようになったと考えられています。

現代でも「豊川稲荷」では鎮守神として祀られている事、「最上稲荷」の本尊「最上位経王大菩薩」の姿が白狐にまたがり稲穂を担ぐという荼枳尼天と全く同じ姿で表される事など、その流れを受け継いだ信仰が各地に残ります。

ポイント

  • 荼枳尼天は仏教における仏を守る神「天部」です。
  • 元々はインド土着の信仰であり屍肉を喰らう魔女「ダーキニー」でありました。
  • 平安時代、日本に渡来し次第に白狐にまたがり宝剣を持つ「荼枳尼天」の姿に変化しました。
  • 戦国期に武士の信仰を集め、江戸期に入ると庶民にも信仰が広がりました。
  • 五穀豊穣の神であった稲荷神と習合し、現代の白狐にまたがり右手に鎌を持ち、稲穂を担ぐ女神の姿に至ったと考えられています。

「ダキニ天」の真言とは?

真言とは真実を表す秘密の言葉であり呪文です。仏尊(天部も含まれる)それぞれに異なった真言があり、誓いや教え、功徳などを秘め、唱える事でその力を引き出す事ができるとされます。

「ダキニ天」の真言の梵字

時代が下るにつれて、荼枳尼天は次第に稲荷神と習合したとされる事はすでに述べましたが、上記の梵字は日本三大稲荷の一つに数えられる「豊川稲荷」に鎮守として祀られる「南無豊川吒枳尼真天」の真言の梵字です。読み方は

オン・シラ・バッタ・ニリ・ウン・ソワカ

と読み、これを21回繰り返し唱えます。

南無豊川吒枳尼真天の意味と訳

  • これを訳すと「オン」がどこにでも存在する「普遍」の意味、「シラ」は仏の戒めや正しい決まり事の意味、「バッタ」は打ち破る意味、「ニリ」は地獄の意味で苦しみ全てを表します。「ウン」は悪を善に帰依させる意味、「ソワカ」は誓いや成就を表します。直訳すると「普遍的な仏の戒めの下に、あらゆる苦しみを打ち破り、悪を善に変化させる事を必ず成就させる」といった意味合いになります。

「ダキニ天」の真言のご利益は?

荼枳尼天は信仰すれば「商売繁盛」や「恋愛成就」などなど人々の心の中にある願いをなんでも成就させてくれるとされます。したがって荼枳尼天の真言のご利益はその時に心にある願いを何でも叶えてくれる万能の真言であるとも言えます。

ただし、荼枳尼天は継続的な信仰を求めるとされ、一度でも信仰を止めると二度とそのご加護は得られなくなるとされています。

ポイント

  • 荼枳尼天のご利益は人の心の中にある願いを何でも成就させてくれる万能なものです。
  • 継続的な信仰を求めるとされ、一度でも信仰を止めると二度とそのご加護を得られないとされています。

「ダキニ天」を祀る神社・寺院を紹介!

日本には、ダキニ天を祀っている神社・寺院がいくつか存在します。そのダキニ天を実際に祀っている神社・寺院をご紹介しましょう。

豊川稲荷

愛知県にある豊川稲荷は、稲荷と名前についていますが、正しい名前は「円福山豊川閣妙厳寺(えんぷくざんとよかわかくみょうげんじ)」で、神社ではなくダキニ天を祀るお寺です。ダキニ天はそもそもインドからやってきた神様で、お稲荷様とは全く関係のないものですが、ダキニ天が乗っていた白い狐から、お稲荷さんと混合された場所でもあります。

成田山

成田山にもダキニ天を祀っている場所があります。それは、成田山新勝寺の胸内にある荼枳尼天堂(出世開運稲荷)です。新勝寺もまたお寺ですが、豊川稲荷と同様にダキニ天が乗っていたといわれる白い狐から、混合して祀られるようになりました。別名を出世稲荷ともいわれ、訪れると出世するご利益を頂けるといわれています。

浅草寺

観光の名所としても人気の東京浅草寺の境内に、鎮護堂(ちんごどう)という通称「お狸堂」とよばれている場所があります。この鎮護堂のご本尊がダキニ天なのです。鎮護堂は、盗難除けや火除けのご利益で知られています。現在の鎮護堂一帯はその昔、狸が多く住んでおり、地名にも狸の字が入っていたことからお狸堂の愛称がついたそうです。

相国寺

臨済宗相国寺派大本山である相国寺では、宗旦稲荷(そうたんいなり)としてダキニ天が祀られています。相国寺は、金閣寺の本坊です。金閣寺のみに注目が集まりやすいため、知っている人はそう多くありません。

つまり、京都の有名な観光名所である金閣寺は単独のお寺ではなく、相国寺という寺院の小寺院なのです。そのため、建てた人物も相国寺と同じ足利義満で、金閣寺も相国寺と同じようにダキニ天を祀っています。

まとめ

「荼枳尼天」は元々インドで土着信仰された存在、鬼神であり魔女とされる「ダーキニー」が平安期に日本に渡来し仏を守護する天部へと変化したものとされています。

様々な理由によって元々信仰されていた「稲荷神」との習合が進み、現在まで伝わる白狐にまたがり稲穂を担ぎ、宝剣や鎌を持った女神の姿に変化していったと考えられ、そのご利益は人を選ばすどんな願いも叶えてくれる万能なものとされます。

日本三大稲荷の一つに数えられる「豊川稲荷」に鎮守として祀られる「南無豊川吒枳尼真天」の真言の梵字の意味は「普遍的な仏の戒めの下に、あらゆる苦しみを打ち破り、悪を善に変化させる事を必ず成就させる」です。「荼枳尼天」は、一度でも信仰を止めると二度とそのご加護は得られなくなるとされています。「荼枳尼天」の加護を受けるためには、自らの信仰心を強く持って真言を口にしましょう。

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