クシナダヒメとは?ご利益や漢字の別称について解説

この記事ではクシナダヒメの呼び名や漢字表記の違いを解説しています。日本神話の中でも有名なヤマタノオロチ伝説も紹介。全国に点在するスサノオとクシナダヒメを信仰、または縁のある神社神宮とご利益についても紹介しています。
クシナダヒメとは
クシナダヒメは日本神話に幾度となく登場する女神の一人で多くの神話も残されています。出雲の国(現島根県)にて脚摩乳(あしなづち)・手摩乳(てなづち)の8番目の娘でスサノオの妻となり子孫には大国主神がいます。
クシナダヒメの別称は?漢字でどう書く?
クシナダヒメの呼び名は様々です。特に古事記と日本書紀では表記の違いは明らかです。
古事記 →→櫛名田比売(クシナダヒメ) |
日本書紀→→奇稲田姫(クシイナダヒメ) |
また書物によっては神として祀るにあたり、「くし(櫛・奇)」を読まずに敬称を用い、稲田姫命(イナダヒメノミコト)と表記されることもあります。
「出雲国風土記」の飯石郡の項では久志伊奈太美等与麻奴良比売命(くしいなだみとよまぬらひめ)という名前でも登場します。
ポイント
- 古事記と日本書紀では呼び名・表記が違う
- 古事記は櫛名田比売(クシナダヒメ)
- 日本書紀は奇稲田姫(クシイナダヒメ)
クシナダヒメにまつわる神話
クシナダヒメには多くの神話や逸話が存在しています。ここではヤマタノオロチ伝説について紹介します。
【ヤマタノオロチ伝説】
高天原から追放されたスサノオは出雲に降り立ちました。そこでアシナヅチ・テナヅチの夫婦とその娘のクシナダヒメと出会いました。夫婦は、毎年ヤマタノオロチという怪物に娘を生贄に取られてしまう事、また今年もその時期が近づいていて一緒にいるクシナダヒメを取られてしまう事を聞きました。スサノオはその話を聞いて非常に哀れに思うと同時に、クシナダヒメの美しさに惹かれました。スサノオはクシナダヒメとの結婚を条件にヤマタノオロチを退治すると申し出ます。夫婦はスサノオの素性を調べました。なんとかの天照大神の弟であることを知いり、喜んで結婚を承諾します。
退治する時がやってきました。クシナダヒメはスサノオの神通力により、小さな櫛に変化します。スサノオは頭に櫛と変化したクシナダヒメを挿したまま、見事十束剣でヤマタノオロチを退治します。その後クシナダヒメは櫛から美しい姿に戻してもらい、須賀の地に宮殿を建て、その地に移り住みました。その後二人の間に八島士奴美神が誕生し、その子孫は繁栄し、大国主神誕生へ繋がっていきます。
ポイント
- ヤマタノオロチに生贄に出される前にスサノオと出会います。
- スサノオは、その美貌に惹かれその場でプロポーズをしました。
- スサノオの神通力により小さな櫛に変えられます。
- 櫛となったクシナダヒメは、スサノオの頭に挿され一緒に戦います。
- スサノオは十束剣でヤマタノオロチを退治します。

編集部
クシナダヒメのご利益
クシナダヒメのご利益は五穀豊穣・縁結び・夫婦和合・厄除開運・衣食住保護などが挙げられます。
ポイント
- クシナダヒメのご利益は「五穀豊穣・縁結び・夫婦和合・厄除開運・衣食住保護」です。
クシナダヒメを信仰する神社
クシナダヒメを信仰またはお祀りする神社神宮は全国に点在しています。
クシナダヒメを信仰する神社
- 氷川神社 埼玉県さいたま市大宮区1-407
- 八重垣神社 島根県松江市佐草町227
- 今宮神社 京都府京都市北区紫野21
- 須賀神社 和歌山県日高郡みなべ町西本庄242
- 椙本神社 高知県吾川郡いの町大国町3093
- 須佐神社 島根県出雲市佐多町須佐730
- 八坂神社 京都府京都市東山区祇園町北側625
- 六所神社 神奈川県中郡大磯町国府本郷935
- 山辺神社 島根県江津市町112
どこもクシナダヒメやスサノオを信仰、または縁のある神社ばかりです。同時に子孫である大国主神を祀る神社もありますので、お近くにおよりの際はお立ち寄りいただくのも良いかと存じます。
クシナダヒメについてまとめ
日本神話の中でも非常に知名度の高い神話であるヤマタノオロチ伝説。そこで初めて登場するクシナダヒメは、スサノオと出会い、その素晴らしい美貌でスサノオの心を掴み、ヤマタノオロチ問題を解決してくれた力強いススサノオと結婚して生涯を全うしたことから良縁結びの神として有名です。ヤマタノオロチの餌食にならず生き延びられた非常に運の良い女性の象徴でもあります。ご利益は結婚や家庭に関する「五穀豊穣・縁結び・夫婦和合・厄除開運・衣食住保護」です。良縁を望んでいる方は、クシナダヒメとスサノオが新居を構えたと言われる須佐神社を参拝されてみるのはいかがでしょうか。

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