鎮守の神(ちんじゅのかみ)とは?特定の土地や建物を守る神様について解説

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鎮守の神(ちんじゅのかみ)とは?特定の土地や建物を守る神様について解説
神道用語

鎮守の神(ちんじゅのかみ)の意味

鎮守の神(ちんじゅのかみ)の意味 村祭り

鎮守の神(ちんじゅのかみ)の意味 村祭り

『村の鎮守の神様の、今日はめでたいおまつりび どんどんヒャララ、どんヒャララ…』

これは、誰もが歌ったことのある童謡”村祭り”の一節。この鎮守の神様とは一体何者でしょうか?

『鎮守の神(ちんじゅのかみ)』とは、一定の土地や建物を災いから守る神のことです。

古来集落には、同じ血筋の人たちを守る『氏神』や、出身地域を守る『産土神(うぶすなかみ)』が存在します。

これに対し、鎮守の神とは氏神や産土神よりもさらに神格の高い守り神で、平安時代の荘園や鎌倉時代の武士の住む館や寺院、江戸時代の城、寺、村や国(武蔵、信濃、陸奥といった国)、現代の県や国家までを守護する存在なのです。

ポイント

  • 『鎮守の神』の意味とは…一定の土地や建物を災いから守る存在。
  • 『鎮守の神』は、『氏神』や『産土神』よりも神格が高い。

鎮守の神の起源

鎮守の神の起源 伽藍神”招宝七郎”

鎮守の神の起源 伽藍神”招宝七郎”

鎮守の神は中国が起源と言われています。中国では仏教伽藍を守る神として『招宝七郎(しょうぼうしちろう)』といった”伽藍神”が存在します(招宝七郎は”水滸伝”にも出てきます)。

中国伝来の仏教は、日本の神様の立場を大きく変えます。奈良・平安時代は天災や動乱が多く、仏教信仰が広まります。このときに鎮守の神が日本に伝わったと言われます。

奈良の大仏の開眼式には、九州大分から八幡神(応神天皇)が”仏の守護神”として呼ばれ、平安期は”神仏習合”で方々の仏教寺院の境内に日本の神が鎮守の神として祀られるのです。

鎌倉時代に入ると、禅宗が中国宋時代の伽藍神を日本に伝えます。ちなみに、奈良国立博物館では『伽藍神立像(がらんしんりゅうぞう)』が収蔵。”頭巾をかぶり両手を振って疾走”している姿は、仏様を守るため駆け回っている”大黒様”のようなお姿です!

ポイント

  • 『鎮守の神』の起源は…中国の伽藍神。仏教伽藍の守護神。
  • 『鎮守の神』は、奈良時代に『八幡神』として仏の守護神とされたことにも関係がある。
  • 『鎮守の神』は平安期の神仏習合で広く祀られる。

鎮守の神と氏神の違い

鎮守の神と氏神の違い 現在の東京赤坂 山王日枝神社

鎮守の神と氏神の違い 現在の東京赤坂 山王日枝神社

鎮守の神と氏神はどう違うのでしょうか?

氏神とは、同じ一族や子孫が”自分たちの神”として崇める精神の支柱。ケースによっては限られた人たちにのみ祀られる氏神様も存在します。

鎮守の神は特定の建物を守る、特定の土地を守る、といった目的のための神様。

有名なものに、京都比叡山の『山王権現』、奈良興福寺の『春日明神』。そして東京赤坂の『山王日枝神社』は徳川家康が建立しています。

また、明治の開拓期に建立された札幌の北海道神宮には『北海道総鎮守』の文字。その意味は、明治天皇が祭神のひとりとして、北海道の礎を守っている…ということなのです。

鎮守の神は、氏神や産土神とは違う役割の神様です。ですが、時代を経て産土神を鎮守の神として祀る場所もあり、現在ではその違いがあいまいになっています。

ポイント

  • 『氏神』は同じ一族によって祀られる神。
  • 『鎮守の神』は、特定の土地や建物の守護神。

鎮守の神についてまとめ

鎮守の神 北海道総鎮守”北海道神宮”

鎮守の神 北海道総鎮守”北海道神宮”

鎮守の神とは、氏神や産土神と違い、特定の土地や建造物を守護する神です。その歴史は仏教と縁が深く、歴史的に見て、神仏習合でも生き残った神様と言えるでしょう。

日本のさまざまな場所を守る鎮守の神。意外な場所に鎮座する鳥居も、もしかすると鎮守の神がお出でになるかもしれませんね!

ライターメモ

鎮守の神 ライターメモ

鎮守の神 ライターメモ