お正月に飲むお神酒の由来や意味
お神酒の由来
お神酒は「おみき」、または「しんしゅ」と読みます。これは、神饌に欠かせないとても大切なお酒です。神饌(しんせん)とは神様にお供える飲食物を指します。
古来より、地震や大雨、洪水に干ばつや台風、火山といった自然災害は、神様の怒りによって引き起こされると考えられていました。
そこで人々は荒ぶる神様の機嫌を損ねないように、そして神様を鎮める為にと、神聖な飲み物であるお酒を神様へとお供えしていたのです。
また、収穫したお米を神様へと捧げる時に、そのお米を用いてお酒を造り、一緒にお供えをする事で翌年の豊穣祈願をしていました。
こうして神様にお供えしたお酒には、神様の霊力が宿ると考えられており、神様からお下がりをしたお酒を飲む事で、無病息災を願っていたのでした。
この神様へのお供え物であったお酒が「お神酒」の始まりだといわれているのです。
お正月のお神酒には、こういった「無病息災」や「厄落とし」の意味が込められています。
名前について
お神酒を「おみき」という名前で呼ぶ由来ですが、まず「おみき」の「み」には神仏、天皇へ用いる尊敬の接続語である「御(み)」という字があてられます。
そして「おみき」の「き」には「酒(き)」という字があてられ、そこへ接続語である「お」を最初につけて、「おみき」と呼ばれるようになりました。
また、古文献では、神酒を「みわ」と呼ぶ事もあります。
お正月はお神酒を神棚へお供えする
ご自宅に神棚があるならば、その神棚へとお神酒をお供えします。この時に用いるお神酒は、清酒であれば特に銘柄にはこだわらなくともいいでしょう。
正式には白酒、黒酒、泥酒、清酒で「しろくろでいせい」という4種類のお神酒をお供えします。
しかしこの全てをお供えしているのは、現在では皇室や、伊勢、出雲といった所だけだといわれています。
神棚へお供えした後のお神酒
自宅に神棚がある方は、毎日朝と夕に「お米」と「お塩」と「お水」をお供えします。
そして毎月1日と15日、そして氏神様の祭事には、これら3品にお神酒や果物、魚等もお供えする事となります。
お正月にお供えをした後のお神酒ですが、玄関や家の周りにまく事で「家の周囲を清める」、「家に災厄が入らないようにする」という意味があります。