明けの明星とは?
明けの明星(あけのみょうじょう)は金星の別名になります。金星には様々な別名があり、よく聞く「一番星」というのも金星を表しています。地域によっては突然現れる星を示す言葉「かけあがりぼし」とも呼ばれています。
明け方東の空に見える金星
明日(10/8)早朝、夜明け前の東の空に、
— KAGAYA (@KAGAYA_11949) October 7, 2015
月、金星、レグルス、火星、木星がずらっと並びます。
予想イラストを作りました。早起きの方はぜひご覧ください。 pic.twitter.com/qZZRLMXQOn
明けの明星は金星の別名でもただの金星ではありません。明けの明星は「夜が明ける頃、東の空に見える金星」のことを示しています。金星は太陽と月の次に明るい光を放つ天体のため、明るく輝く星を意味する「明星」が金星を表現する言葉として使われるようになりました。日本語だけではなく、英語とラテン語にもそれぞれ明けの明星を表している言葉があります。
言語 | 読み方 | 言語の意味 |
日本語 | 明けの明星(あけのみょうじょう) | 明け方の金星 |
英語 | the morning star(ザ・モーニング・スター) | 朝の星 |
ラテン語 | Lucifer(ルシフェル) | 光を身につけている |
ちなみにラテン語のLucifer(ルシフェル)は悪魔ルシファーとして表現されていますが、そう表現されるようになったきっかけは古ラテン語の聖書です。
悪魔ルシファーは天使だった頃「希望であり、光をもたらす者」として呼ばれていました。その後、聖書で「明けの明星(悪魔ルシファー)、あなたは天から落ちた」と、ルシファーを明けの明星として表現するように使われたため、ラテン語のLucifer(ルシフェル)=悪魔ルシファーとして認識されるようになりました。
明けの明星と宵の明星の違い
明けの明星と似ている言葉で「宵の明星(よいのみょうじょう)」があります。
明けの明星と宵の明星の違いは観測時間と金星が見える方角です。
観測時間 | 方角 | |
明けの明星 | 明け方(4時~6時頃) | 東の空 |
宵の明星 | 夕方(17時~19時頃) | 西の空 |
宵の明星は日が落ちた頃の西の空に見える金星を示します。金星は地球よりも太陽に近い位置で公転しているため、明るい時間は太陽の光に負けてしまい肉眼で見るのは難しいです。それだけではなく、金星は太陽に照らされて輝くため、太陽が出ていないと見ることすらできません。
金星が間違いなく見れるのが太陽光が小さくなる明け方と夕方であるため、明けの明星・宵の明星と分けて呼ばれています。
明けの明星のスピリチュアルなパワー
明けの明星には「叡智を与えてくれる」パワーがあります。おみくじや占いでも幸運のキーワードとして明けの明星が書かれるほどです。
それだけではなく、明けの明星が見える日には金星自体のもつパワーも増幅します。金星は「愛、美しさ、女性性、金運、芸術」などが象徴です。明けの明星が見える時間帯に金星がもつキーワードに関わる行動を起こしたり、願いをかけたりすることでより強いパワーが加わります。
金星の象徴は女神からきている
金星は英語で「Venus(ヴィーナス)」と言いますが、これはローマ神話の美と愛の女神であるヴィーナスからつけられた名前です。そのため金星の意味もヴィーナスからきていますが、同時にヴィーナスに近い女神たちの意味としても含まれています。
代表的な神話 | 女神名 | 呼ばれ方 |
ローマ神話 | Venus(ヴィーナス) | 美と愛の女神 |
北欧神話 | Freja(フレイヤ) | 愛を司る女神 |
ギリシャ神話 | Aphrodite(アプロディーテ) | 美と戦いの女神 |
ヴィーナスに近いとされているのが北欧神話のフレイヤと、ギリシャ神話のアプロディーテです。とくにフレイヤは愛を司るということでヴィーナスと同一視されるときもありました。どの女神も愛と美しさが強く、容姿も美しい女性として描かれています。
明けの明星はいつ見える
明けの明星は年中明け方に見れるものではありません。1年に数ヵ月と見れる期間が決まっています。2019年から数年後までの期間を載せたので参考にしてください。
2019年
月・金星・レグルス・火星・木星.新宿中央公園から. pic.twitter.com/rjqykFLS5k
— RET (@RET_Aries) October 7, 2015
2019年の明けの明星は7月まで見ることができます。
明けの明星の観測期間が終わると2、3ヵ月の間をあけて宵の明星の観測期間へと入ります。
2020年
2020年は7月から年末を迎える12月までの6ヵ月間、明けの明星を見ることができます。
2021年
2021年は1月、2月に明けの明星を見ることができ、翌年の2022年は3月から7月まで5ヵ月間、明けの明星を見ることができます。実はこの5ヵ月間という2022年の観測期間は2010年以来の期間であり、それまでは8ヵ月間から9ヵ月間見ることができていました。
明けの明星 観測期間 | 月数 |
2010年12月から2011年4月 | 5ヵ月間※ |
2012年7月から2013年2月 | 8ヵ月間 |
2014年2月から2014年10月 | 9ヵ月間 |
2015年9月から2016年4月 | 8ヵ月間 |
2017年4月から2017年12月 | 9ヵ月間 |
2018年12月から2019年7月 | 8ヵ月間 |
2020年7月から2021年2月 | 8ヵ月間 |
2022年3月から2022年7月 | 5ヵ月間※ |
観測期間を比べると今までよりも3、4ヵ月短いため見逃したくない方はここ数年の観測期間の感覚でいないように気を付けてください。
明けの明星についてまとめ
明けの明星が見える期間はいつもより少し早起きして東の空を眺めてみてはいかがでしょうか。雲に隠れていなければひときわ輝く金星を見ることができ、叡智のパワーを授かることもできます。
万が一天候の関係で明けの明星を見ることができなかった場合でも、空を見上げることでネガティブな気持ちを排除し前向きにさせてくれる効果があります。どちらにしても良い1日の始まりを迎えられることに間違いありません。明けの明星を意識することで起こる様々な変化を楽しみましょう。