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「人を呪わば穴二つ」とは?語源や穴の意味について解説します

「人を呪わば穴二つ」とは?語源や穴の意味について解説します

「人を呪わば穴二つ」とは恨みつらみを復讐によって晴らそうとすることを戒めることわざとして使われていますが、この「穴二つ」とは一体何を意味するのでしょうか。本記事では「人を呪わば穴二つ」の意味や語源、穴の正体などについて解説します。

    「人を呪わば穴二つ」の意味について

    「人を呪わば穴二つ」の意味を大辞林第三版では「他人を呪い殺そうとして墓穴を掘れば、その報いを受けて死ぬ自分の墓穴も掘らねばならない。人を呪えば身を呪う。」と説明しています。

    「穴二つ」とは「自分も同じ目に遭う」ということを意味しており、「人を呪わば穴二つ」は、他人に危害を加えるなら自分もそれと同じ仕打ちに遭うものと覚悟せよという意味になります。

    それが転じて現在では「他人に対する悪行は必ず自分に返ってくる」という意味で使われ、他人への恨みつらみを晴らそうとすることを戒めることわざとして定着しています。

    「人を呪わば穴二つ」の語源と由来

    藁人形
    Photo bySkitterphoto

    「人を呪わば穴二つ」の「穴二つ」とは一体何が由来なのか不思議に思ったことはないでしょうか。実はこのことわざの成り立ちには陰陽師が深く関わっています。

    ここからは「人を呪わば穴二つ」の語源について解説していきます。

    陰陽師という存在

    陰陽師の歴史は古く、少なくとも600年頃には既に日本に存在していたと言われています。

    陰陽師は占いや天文学、暦などの知識を駆使して信頼や地位を築きました。平安時代に陰陽師は全盛期を迎え、陰陽寮に属する陰陽師たちは朝廷の役人として様々な形で政治に関わりました。

    しかしそれ以降は規律の乱れをはじめとする様々な問題が裏で発生することになりました。最も有名な陰陽師の一人・安倍晴明が活躍していた10世紀後半には、陰陽師の規律の乱れはかなり深刻化していたと言われています。

    その頃には本来朝廷専属であるはずの陰陽寮に所属する陰陽師が個人的に貴族からの依頼を受けたり、逆に陰陽寮に属していない陰陽師が朝廷に潜り込んで仕事を引き受けたりするといったことが横行していました。

    陰陽師に関してもっと詳しく知りたい方にはこちらの記事がおすすめです。

    呪い返しの概念と二つの墓穴について

    墓
    Photo by kennejima

    陰陽師の持つ力は時に床に臥せる天皇の病を治し、また時に旱(ひでり)に悩む土地に雨を降らせるなど、人々を救うために活躍しました。しかしその一方で、その力は人に仇成す時にも絶大な効果を発揮しました。

    陰陽師は朝廷のみならず貴族から依頼を受けることも少なくありませんでしたが、貴族の中には政敵など、自分にとって都合の悪い人物を呪い殺してほしいという依頼をしてくる人もいました。

    呪殺の依頼を受けた陰陽師は二つの穴を掘らせました。一つは呪い殺す相手が入る墓穴、もう一つは陰陽師自身が入る墓穴です。陰陽師は呪殺が自分の命をも危険に晒すことを知っていました。というのも呪術の世界には呪い返しというものが存在するからです。

    呪い返しとは自分にかけられる呪いを術者に跳ね返すことで、呪殺しようとした術者が呪い返しを受ければ、自分自身がその呪いを受けて死んでしまうことになります。だから陰陽師は呪殺をするときは自分がその呪いによって命を落とす覚悟で臨んでいたのです。

    「穴二つ」とは陰陽師が呪殺の際に掘らせていた二つの墓穴のことで、「人を呪わば穴二つ」ということわざは誰かを呪殺しようとするときには自分が死ぬことを覚悟するべきだという当時の陰陽師の姿勢から生まれたのです。

    「人を呪わば穴二つ」の使い方・用例

    現在でも使われることのある「人を呪わば穴二つ」という言葉ですが、現在では昔の陰陽師のように「殺す時は死ぬ覚悟を持て」という意味合いではなく、「他人に危害を加えればいずれ自分も同じ目に遭う」という戒めの言葉として使われます。

    ここでは「人を呪わば穴二つ」の用例を紹介します。

    男

    あの野郎許さねぇ、絶対復讐してやる…!

    テスラさん

    テスラさん

    腹が立つのはわかりますが、人を呪わば穴二つです。人を傷つけても自分が傷つくだけで何の得にもなりませんよ。

    「人を呪わば穴二つ」ということわざは、人に対して危害を加えることは自分にとってプラスになるどころか、逆に自分にも同じような災いをもたらす結果になるということを教えてくれます。

    誰かを恨み、憎んでいる時はそのことで頭がいっぱいになりますが、「人を呪わば穴二つ」はそんなときこそ思い出したいことわざと言えるでしょう。負の感情に囚われていても自分の苦しみは何も解決しないということに気づかせてくれます。

    おかずさん

    おかずさん

    あの者をどれほど憎んだかしれません。しかし人を呪わば穴二つ、私は前を向くことにしました。

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