エクトプラズムとは?
エクトプラズムとは19世紀後半の生理学者リシェによって作られた言葉で、後に心霊主義において物理的心霊現象を起こすための半物質のことを指すようになりました。
エクトプラズムは物質界の人間である霊媒者の幽質素と生体エネルギーを取り出したものに、霊界の存在である霊の幽質素と霊体エネルギーを加えることで作り出されます。

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霊体の視覚化
霊体はその場にいる霊媒体質の人間を利用してエクトプラズムを発生させ、霊体の物質化やポルターガイスト、ラップ音などの物理的心霊現象を引き起こして物質界へ干渉します。エクトプラズムは霊媒者の目や口、鼻や耳などの粘膜質の部分から体外に放出されますが、多くの場合は煙のように希薄で目に見えません。
しかし、稀に白く光る高密度でペースト状の物質として現れることもあり、時には意志を持っているかのように自在に動き回ったという報告もあります。
20世紀前半には多くの心霊実験が行われ、エクトプラズムについて多くの研究がなされていました。しかしエクトプラズムの放出中には強い光を当てると霊媒者の体に大きな負担がかかるとされ、暗い場所で実験されていたことからこれらの実験に対して信憑性を疑う人達もいました。

ホルス神
20世紀半ば、量子物理学の発展により唯物論が時代遅れとなってくると、霊界は物理的心霊現象から精神的心霊現象へと人間界へのアプローチを転換していきました。それに伴い人間界のスピリチュアリズムも変化していったことでエクトプラズムの研究や心霊実験は行われなくなっていきました。
口から出る白い煙?体外に出るエクトプラズム
エクトプラズムは通常霊媒者の口や鼻などの粘膜質の部分から体外に排出されます。
この時、エクトプラズムは白く薄い煙状の物質として排出されますが、通常は人の目には見えません。そのため、ポルターガイストやラップ音などの物理的心霊現象が発生しても、何もないのになぜか家具や食器などが宙に浮いたり家の中で音がしたりすると認識します。
しかし、特殊な例として個体状態となって物質化することがあります。この場合は重量を計測したり一部を採取して成分を測定することもできます。リシェやシュレンク・ノッチングと言った研究者によると、エクトプラズムは唾液に似た成分で霊媒者の白血球や上皮組織が含まれており、食塩とリン酸カルシウムも検出できたそうです。
エクトプラズムの作用ー物理的心霊現象を起こす
物理的心霊現象とはラップ音、ポルターガイストや物が宙を浮く浮揚現象など、霊の作用による物理的に観測可能な現象を意味します。そして、これらの物理的心霊現象の正体はすべてエクトプラズムで説明できると言われています。
しかし、直接エクトプラズムが物体を移動や浮上させたり、家を叩いて音をたてたりするという訳ではありません。霊体はエクトプラズムを通して物質を霊的に活性化し霊的エネルギーを物体に伝達することで、あたかも力学的な作用がないのに物理現象が起こっているように見せているのです。
エクトプラズムと霊能力
エクトプラズムは霊媒者の幽質素と生体エネルギーを基に作られています。また、前述のように固体化したエクトプラズムの成分は霊媒者の体組織と同一であったり、排出されたエクトプラズムの重さと同じだけ霊媒者の体重が減少していたという調査結果もあります。
エクトプラズムの質は、霊媒者の霊能力や霊性の高さに影響されると考えられています。また、良質のエクトプラズムを大量に発生するためには霊媒者が肉体と霊体をつなぐ幽質素を多く持っていることが条件となります。そのため、霊能力が高い霊媒者ほど高次の心霊現象を発生させることができたと言われています。
エクトプラズムは霊界による人間界への霊的指導のために作り出されたとも言われています。「物理的心霊現象」は19世紀の半ばに科学の進歩により唯物論が台頭し、人々が物質的な事象のみを追い求めるようになったことに対する霊界の警鐘だったのです。