
お狐さま

ひろみ
え?稲荷神社って狐の神様じゃないの?

お狐さま
そう思っている人が多いと思うんだけど実は違うんだよ
詳しく説明するね!
「稲荷神社」とは?
「稲荷神社」とは穀物神である稲荷神(いなりしん・いなりのかみ)を祀っている神社を指します。
稲荷信仰はもともとは京都一帯の有力豪族であった秦氏の氏神である稲荷神が全国に広がったもので、「稲が成る」から「稲を荷う」という形に変化して「稲荷」になったとされています。
現在では多くの稲荷神社の主祭神は宇迦之御魂大神(うかのみたまのおおかみ)や、豊宇気毘売命(とようけびめ)などの日本神話における穀物・食物神となっています。これは稲荷神が稲の神様であったことから、日本古来の穀物・食物神と習合したためです。
また神仏習合により神社だけでなく仏教寺院も稲荷神を祀っており、仏教系の稲荷神は荼枳尼天(だきにてん)と同一視されています。
ご利益
稲荷神社は五穀豊穣、商売繁盛、万病平癒、縁結び、家内安全、学業成就など、多くのご利益があるとされています。
稲荷神はもともと穀物・食物の神でしたが、時代が下がるに従って多くの意味を持つようになりました。鎌倉時代頃から農業だけでなく商業や工業、屋敷神として福徳開運のご利益があるとして広く勧請されるようになり全国に広がり、江戸時代には芝居の神様としても崇められるようになりました。
「稲荷神社」にまつわる様々な疑問
稲荷神社は全国各地にあり、数が多いのであまり疑問に思わないかもしれませんが、実は他の神社と稲荷神社では異なる点が多くあるのです。ここでは稲荷神社にまつわる様々な疑問について詳しくご紹介していきます。
なぜ鳥居が赤いの?
神社の鳥居が赤いのは、邪気を寄せ付けない魔除けの意味があります。
その後江戸時代になって神仏分離活動が盛んになってくると、鳥居を白に戻す神社が増えてきて現在のような形になりました。
なぜ狛犬が狐?
稲荷神はもともと「稲成り」と表されていたように穀物・食物神でした。古代日本では食物神のことを御饌津神(みけつがみ)と呼んでおり、この御饌津神が「三狐神(みけつがみ」と表されるようになったために狐が稲荷神の使いとなったと言われています。
また狐が穀物を食べてしまうネズミを退治してくれるからという説や、狐は農耕の始まる春先に里に下り収穫が終わった秋頃山に戻ることから農耕を見守ってくれる神様の使いであるとされていたという説もあります。
油揚げをお供えするのはなぜ?
稲荷神社に油揚げをお供えする理由として、「古来、穀物を荒らすネズミを捕食してくれる狐の巣穴の前にネズミの油揚げを供える風習があったから」という説があります。その後仏教の伝来とともに殺生が悪いものだとされたため、ネズミから豆腐の薄切りを揚げたものに変化していったそうです。
稲荷神社の神の使いは白狐とされていますので、キツネの好物と考えられていたネズミの油揚げの代わりに油揚げをお供えするようになったとされています。
「稲荷神社」に行ってはいけない人がいる?
稲荷神には神道系と仏教系がありますが、仏教系の稲荷神は荼枳尼天と同一視されています。荼枳尼天はインド仏教ではダーキニーと呼ばれる人肉を食べる魔女とされていました。そのため厳しい側面があり、不義理を行う人間には容赦なく罰を与えるとも言われています。
真剣に拝み末永く祀ることの出来る人にはご利益をあたえてくれますが、その場しのぎで後々しっかりとお祀りできないような人は行ってはいけないかもしれません。
「稲荷神社」にまつわる怖い話とは?
稲荷神社で有名な祟りの話といえば、東京の歌舞伎座の祟りの話が有名です。歌舞伎座改築のためにお稲荷さんを祀った神社を移動させたために、改築工事中に5名も歌舞伎役者が亡くなったのです。その他にも歌舞伎関係者の発病や事故が続いたという噂が後を絶ちません。
この稲荷神社は前の歌舞伎座が空襲で焼けてしまった際に再建されたのですが、その時にも歌舞伎関係者が相次いで亡くなったという怖い話が存在しています。

ひろみ
ええー!そんな話聞いたら怖くなってしまうわ。

お狐さま
つまりは神様に対してきちんとしたマナーで接するということが大事ってことだよ!
礼儀正しい人には神様もご利益を与えたいって思ってくれるんだ
稲荷神社は穀物や農業の神様を祀ってる神社なんだ!