大山津見神(オオヤマツミ)は、山岳信仰の八柱を束ねる山の神とされる一柱です。その一方で海の神ともされていて、水軍の守護神として信仰を集め、武神として全国に数多くある三嶋神社の主祭神とされている神様です。
山の神様・オオヤマツミの神話やご利益を、この記事を読み知っていただければ幸いです。
オオヤマツミは、神話の主人公としては登場しませんが、多くの国津神の父、祖先として存在感を示す存在です。その力の強さは、山、海にまで及ぶ万能で強い父性を感じさせる神様だといえるでしょう。また、記事の最後ではオオヤマツミからのスピリチュアルメッセージをお伝えします。
大山津見神(オオヤマツミ)とは?
オオヤマツミは、古事記によると神産みの伊邪那岐大神と伊邪那美神の間に生まれたとされています。
日本書紀では、伊邪那美神が出産する際に大やけどを負い死んでしまったあとに、嘆き怒った伊邪那岐大神が生まれた火之迦具土神(ヒノカグツチノカミ)を切った際に産まれたのが、オオヤマツミとされています。
オオヤマツミを祭神とする三嶋神社が数多くあることから、信仰を集めているのがわかる神様ですが、みずからを中心とした神話の数は多くありません。
ただし、天孫降臨神話の邇邇芸命に嫁いだ木花佐久夜毘売(コノハナノサクヤビメ)と突き返された岩長比売(イワナガヒメ)の神話の中では、父として存在感を発揮しています。
木花佐久夜毘売は、邇邇芸命との間に子を成し子孫には神武天皇があり、これが現在の皇室の先祖です。
また、邇邇芸命から突き返された岩長比売は、八島士奴美神(ヤシマジヌム)に嫁ぎ、その子孫からは大国主命(オオクニヌシノミコト)が出ています。
ほかにも、大歳神(オオトシガミ)や稲荷神社の祭神宇迦之御魂神(ウカノミタマ)など、大山津見神の血筋は多くの地神に引き継がれているのです。
これらをみても、日本国の成り立ちに間接的にかかわりの深い神だということがわかりますね。
オオヤマツミの名前の由来
オオヤマツミの名前は、「ミ」は神霊を表し、「ツ」が助詞「の」とみることから、大いなる山の神という意味になります。またオオヤマツミの「ミ」は巳=蛇を表し、オロチのような蛇神であるという説もあります。
オオヤマツミの別称
オオヤマツミとは古事記での名称で、いくつか別称があります。
- 大山祇神
- 大山積神
- 大山罪神
と日本書紀では記されています。
また海の神として、和多志大神(ワタシオオカミ)、酒造の神を意味する酒解神(サケトケノカミ)という別称で登場することもあります。