六根清浄とは
六根清浄(ろっこんしょうじょう)とは、欲望や迷いを断ち切りって、心と体を清らかにすることをいいます。六根とは、眼(視覚)・耳(聴覚)・鼻(嗅覚)・舌(味覚)・身(触覚)・意(思惟)の人間の感覚と感覚器官のことです。
仏教ではこの六根から煩悩が生まれると考えられており、厳しい修行を行うことで、六根が清浄されるといわれていました。
「どっこいしょ」という掛け声の語源?
「どっこいしょ」という掛け声の語源は諸説ありますが、六根清浄が語源となっている説が存在します。六根清浄は「六根浄(ろっこんじょう)」略していわれることがあり、登山時に六根清浄を略して六根浄といわれていたことから、どっこいしょと変化したという説です。
六根清浄の例文
あまり聞き慣れない人も多い六根清浄という言葉ですが、実際の日常生活の中でも使用ができる言葉です。例えば、「六根清浄の心境になれるように、山へ登ろう」や「宝くじを当てるには、買う前に六根清浄の心境になる必要がある」「六根清浄を果たす為に、滝行を行ってみた」など、心身を清らかにするという意味を伝える場合に使えます。
六根清浄の功徳とは?
六根清浄は唱えることで、功徳(くどく)を得られるともいわれます。功徳とは、今世だけでなく来世にも幸せをもたらす善い行いや神仏のご利益のこと。仏教用語ではなく、スピリチュアルな用語でいうなれば「カルマ」に似ています。その功徳は以下の全部で6つです。
- 眼根清浄(善悪美醜を正しく見分ける)
- 耳根清浄(万物の声を聞き喜怒哀楽を共感する)
- 鼻根清浄(良い香りと悪い香りを嗅ぎ分ける)
- 舌根清浄(食べ物を美味しく味わい、口から出る言葉で人の心を動かす)
- 身根清浄(御奉公をすることに生きがいを感じる清らかな体)
- 意根清浄(厳しさと優しさ、正しさを兼ね備えた審美の心)
六根清浄の功徳を受けるためには
六根清浄の功徳を受けるためには、法華経を大切に守って、受持(じゅじ)・解説(かいせつ)・読書(どくしょ)・写書(しょしゃ)・暗唱(あんしょう)と全部で5つの修行を行います。これは、天台宗の代表的な経典である法華経(ほうけきょう)に記載されているものです。
この5つの修行の中で、受持は最も重要な修行とされており、お経や教本を持っているだけでは修行とはみなされず、暗記する必要があるのです。