クリフォトの意味とは?カバラでの悪魔の概念やセフィロトとの関係について解説!

クリフォトとは、カバラ神秘主義思想における重要な概念の一つです。 悪性・悪徳とされるクリフォト(邪悪の木)は、善性・美徳とされる「セフィロト(生命の木)」の複製として存在しています。 また、クリフォト(邪悪の木)はセフィロト(生命の木)よりも知名度が低く、未だ解明の余地が多く残っていると言われています。 今回は、そんな「クリフォト」について、そのベースとなるカバラ神秘主義や、対極に位置するセフィロトの概念も併せて解説して行きます。
クリフォトの意味を理解する!不安と悪魔にとらわれない方法
クリフォトとは邪悪の樹を意味する
「クリフォト(邪悪の木)」とは、カバラ神秘主義思想における重要な概念の一つです。
悪性・悪徳とされるクリフォト(邪悪の木)は、善性・美徳とされる「セフィロト(生命の木)」の複製として存在しています。
また、クリフォト(邪悪の木)はセフィロト(生命の木)よりも知名度が低く、未だ解明の余地が多く残っていると言われています。
今回は、そんな「クリフォト」について、そのベースとなるカバラ神秘主義や、対極に位置するセフィロトの概念も併せて解説して行きます。
ポイント
- クリフォトとはカバラ神秘主義思想における重要な概念の一つ。
- クリフォトの対極にはセフィロトが存在する。
- セフィロトが生命の樹なら、クリフォトは邪悪の樹(根)
「カバラ神秘主義」とは?クリフォトの概念の基礎
「クリフォト」を理解するためには、まずは「カバラ神秘主義」への概括的な把握が必要不可欠です。
「カバラ」は元々、ヘブライ語で”受ける”あるいは”口伝え”を意味する言葉。
そんな意味の言葉を冠する「カバラ神秘主義」とは、3世紀から6世紀ごろにユダヤ教から発祥し、16世紀ごろまでには現在に続く体系が確立したとされる思想です。
その思想の目的は、ユダヤ教の伝統に基づき、「神が世界の創造と正常な運行のために放出するエネルギー=恵み」を受け、自らの存在をより高次のものにすること。
その独特の宇宙観から、仏教の神秘思想である密教との類似性を指摘されることもしばしばあります。
また、カバラ神秘主義には複数の意味合いや解釈がありますが、大きな分類は二つ。
それが、「ユダヤ・カバラ」と「クリスチャン・カバラ」です。
前者はユダヤ教とが旧約聖書の解釈に用いた本来のカバラで、後者はキリスト教にユダヤ・カバラを応用するものとして考案され、のち19世紀末から20世紀にかけて構築された近代西洋魔術の理論的な根拠とされました。
今回解説する「クリフォト」と「セフィロト」は、主にユダヤ・カバラに基づく思想とされています。
また、誤解されがちなのは、「ユダヤ・カバラを学ぶには、ユダヤ教を信仰しなければならないの?」という点。
結論から言えばその必要は全くありません。
ユダヤ教を信仰せずとも、教義の中にクリフォトやセフィロト等学ぶべき点があるため、その考えを参考にさせてもらうという意識が、カバラ神秘主義を学ぶ上では重要な事なのです。
ポイント
- クリフォトはユダヤ・カバラに基づく思想
- カバラ神秘主義思想の目的は自らの存在をより高次のものにすること
クリフォトの悪魔とは?その概念とそれぞれの意味を解説!
クリフォトとは生命の樹・セフィロトを反対にしたもの
クリフォトは、カバラ神秘主義において善・美徳の性質を持つ「セフィロト(生命の木)」の最下位から、更に下の方へと逆さまに伸びています。
セフィロト(生命の木)が上に行くにつれ高次の善の概念、光へと進んで行くのに対し、クリフォトは下に行くにつれて、より強い悪の概念、虚無の世界へと沈んで行くのです。
また、セフィロトは「セフィラ」と呼ばれる10個の”光の球”で構成され、それぞれに対応する天使が存在しますが、一方クリフォトは「クリファー」と呼ばれる10の”外殻”で構成され、それぞれに対応する悪魔が存在します。
各クリフォトを司る悪魔と、対応するクリファーは以下の通り。
数字が小さくなるほどより深い虚無と悪徳を示します。また、それぞれの番号の後ろに付いている”i”は、虚数単位を意味する記号です。
クリフォトの悪魔とそれぞれの意味を紹介
<下に行くほど深い虚無と悪徳を司る悪魔となる>
下位のクリフォト
下位のクリフォト
- 10i.ナヘマーのキムラヌート (Qimranut、物質主義)
- 9i.リリスのアィーアツブス(Aiyatsbus、不安定)
- 8i.アドラメレクのケムダー(Chemdah、貪欲)
中位クリフォト
中位のクリフォト
- 7i.バールのツァーカブ(Shakah、色欲)
- 6i.ベルフェゴールのカイツール(Kaitul、醜悪)
- 5i.アスモデウスのアクゼリュス(Akzeiyyuth、残酷)
上位クリフォト
ここにタ上位クリフォトイトル
- 4i.アスタロトのアディシェス(Adyeshach、無感動)
- 3i.ルキフグスのシェリダー(Sheriruth、拒絶)
- 2i.ベルゼブブのエーイーリー(Iweleth、愚鈍)
最も虚無なクリフォト
最も虚無なクリフォト
- 1i.サタンのバチカル(Bacikal、無神論)
セフィロトの玉・セフィラが天使ならクリフォトの外殻・クリファーは悪魔


最下位のクリフォトを司る10iの悪魔ナヘマーは”邪悪の女”。
下位のクリフォトを司る9iの悪魔リリスはわいせつ者、8iの悪魔アドラメレクは欺く者、7iの悪魔バールは離散の大鴉。
中位のクリフォトを司る6iの悪魔ベルフェゴールは論争者、5iの悪魔アスモデウスは焼却者、4iの悪魔アスタロトは粉砕者。
上位のクリフォトを司る3iの悪魔ルキフグスは隠匿者、2iの悪魔ベルゼブブは妨害者。そして1iの悪魔サタンは敵対者とされています。
物質主義、不安定、残酷、無感動…
日本語の部分に注目してみると、現代社会において、なんだか身近に感じられるワードもちらほら。
このように、セフィロトの対極に位置するクリフォトは人ならざるものが持つ特別に邪悪な要素を示しているのではなく、人間なら誰もが持っている闇の要素を示しています。
また、許したり努力をする事よりも、憎んだり怠ける事の方が簡単であるように、人間は光のセフィロト世界へ進むよりも、闇のクリフォト世界に落ちて行くことの方が簡単であるともされています。
次のページでは、そんなクリフォト世界に落ちた人間がどうなってしまうかについて解説致します。